AppSheetの料金 – 無料と有料の違い、ライセンスの数え方

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AppSheet は無料で始められますが、無料プランのままだとアプリを共有できる人数や機能に制限があります。
有料プランを契約するとこのような制限がなくなり、AppSheetのすべての機能にアクセスできるようになります。
この記事では、AppSheetの料金について、無料プランと有料プランの違い、料金計算の基礎となるライセンスの数え方、どのプランを選択すればよいのかについて解説します(アプリを一般に公開するPublisher Proプランは対象外です)。

【お知らせ】
米国時間2023年7月17日に、AppSheet Core ライセンスがデフォルトで含まれるGoogle Workspace エディションの拡大が発表されました。
これにより、日本国内で提供されているGoogle Workspaceのビジネス向けエディションのほとんどで、AppSheet Coreを追加料金なしで利用できるようになりました。

Google Workspaceを既に契約している、また、無料アカウント(@gmail.com)からGoogle Workspaceへの移行を検討中の方は↑の記事を是非参照してください。

1. AppSheet 〜 有料と無料の違いとは?

AppSheetを無料で使用するための条件

AppSheetの無料、有料プラン選択については、公式HELPに説明があります。

App development and testing is always free on AppSheet. Most AppSheet features are accessible to use while building free prototype apps.

AppSheetではアプリの開発とテストは常に無料です。 AppSheetのほとんどの機能にアクセスして、無料のプロトタイプを作成できます。

とあるので、アプリが「Prototype」(Not Deployed)の状態でプロトタイプ開発、テストするのは無料プランで大丈夫です。

アプリが「Prototype」(Not Deployed)の時は無料プランでも大丈夫。

さらに、

You can stay on the free plan forever if:

  • Your apps are for personal (non-business) use
  • You are the only app user
  • You do not need to use features not supported for a free account (such as sending emails using AppSheet automation)

以下の場合、永久に無料プランで利用できます。

  • アプリの使用目的が個人使用であり、ビジネス用ではない
  • あなたが唯一のアプリユーザーである
  • 無料アカウントでサポートされていない機能を使用する必要がない (Automationを使用してメールを送信したり、ファイルを作成する等)

以上をまとめると、無料プランと有料プランの違いは以下の表のようになります。

無料(Prototype) 有料(Deployed)
利用 個人利用 商用利用
ユーザー数 自分ひとりだけ 複数ユーザー利用
段階 開発、テスト デプロイ(展開)、業務使用
機能制限 あり 解除
上位プランほどできることが増える

デプロイとは

実際に、有料プランを検討し始めるのは以下のような時だと思います。

  • 10人以上のユーザーと共有して、アプリを使用したい
  • 無料プランではアクセスできない機能(Automationによるメール送信等)を使いたい
  • サインインによるユーザー認証、データ表示やデータ変更権限の設定などセキュリティが必要である

このような場合、AppSheetでは「Deploy」(デプロイ)が必要になります。
デプロイするためには有料プラン契約が必要になるので、無料か有料かは「デプロイするか、しないか」が境界線となります。

アプリが「Deployed」の時は有料プラン契約が必要。

Deployment Checkで有料プランが必要かチェックする

デプロイが必要か否かについては、「Deployment Check」でチェックできます。
AppSheetエディタ左側メニュー「Manage」をクリック、「Deploy」タブに移動して「Deployment Check」を開きます。
「Run Deployment Check」をクリックします。

Run deployment checkで有料プランが必要かチェックできる。

「Account status」を見てみましょう。
このブログで解説した請求書アプリを無料プランで「Deployment Check」すると「ERROR」になります。

  • サインインによるユーザー認証
  • Automationでファイル作成するTaskの実行(請求書PDFの作成)

は無料プランでは使えませんということが書いてあります。
なので、デプロイするためには有料プラン契約(上記の場合は、Core)が必要になります。

「ERROR」なので、無料プランでは使えない。

Plan requirementsでどのプランが必要か調べる

また、プランによって機能制限に違いがあります。
高価なプランほど機能制限がなくなり、大規模で高度なアプリを作成できるようになります。
Starterプランではアプリを10人以上のユーザーと共有できるようになりますが、Automationで使用するTask(タスク)には機能制限が残ります(メール送信はできます)。
CoreプランにするとTaskの機能制限がなくなり、PDF等のファイル作成、GAS(Google Apps Script)との連携ができるようになります。

有料プランのうち、どのプランが必要かについて「Plan requirements」で調べることができます。
AppSheetエディタ左側メニュー「Manage」をクリック、「Author」タブに移動して「Plan requirements」を開きます。
「Analyze app features」をクリックしてみましょう。

Plan requirementsでどのプランが必要か調べる。

このブログで解説した請求書アプリで「Analyze app features」を実行すると以下のような結果になります。
Automationで請求書のPDFを作成するTaskを使用しているので、Starterプランは「NOT ALLOWED」になっています。
なので、Coreプランが必要であることが分かります(Publisher Proプランは対象外です)。

Starterプランは「NOT ALLOWED」なので、Coreプランが必要。

2. ライセンスの数え方

アクティブユーザーとは

有料プラン契約は「My Account」で行います。
AppSheetエディタ画面の右上「Account」アイコンをクリックします。

AppSheetエディタ画面の右上「Account」をクリックする。

アカウント(メールアドレス)をクリックします。

アカウント(メールアドレス)をクリックする。

「My Account」が開くので、「Billing」タブに移動し、「Upgrade」ボタンをクリックします。

「Billing」を「Upgrade」する。

以下の項目を設定します。

  • Plan Class:「Secure ( pay per user )」を選択します。
  • Subscription Plan:「Starter」または「Core」から必要なプランを択します。
  • Billing Period:「Monthly」または「Annual」から支払方法(月払いか年払い)を選択します。

「Billing」を設定する。

「Number of user licenses」に契約するライセンス数を数字で入力します。
ライセンス数のカウントについては、アクティブユーザー数が対象になります。

有料プランでは、アプリユーザーは自身のメールアドレスでアプリにサインインする必要があります。
AppSheetでは、このメールアドレス単位でユーザーをカウントしています。
なので、2つ以上の異なるデバイス(PC、スマホ、タブレットなど)に同じメールアドレスでサインインした場合でも、1人のユーザーと見なされます。AppSheetでは、1人のユーザーが最大5台のデバイスにサインインしてアプリを使うことができます。

AppSheetにサインインして、アプリを使用するユーザーのことを「アクティブユーザー」と呼んでいます。
アクティブユーザー数に応じてライセンス数が必要になります。

必要なライセンス数の数え方

アクティブユーザー数の数え方は、

  • 一定期間(前回契約更新日以降の1ヶ月間)に
  • AppSheetにサインインして
  • デプロイされているアプリを使用している人数

です。デプロイされたすべてのアプリについて、サインインしているユーザーのメールアドレス単位で数えます。
ライセンスを取得したユーザーは、複数のアプリを使用できます。

例えば、3人の社員(A、B、C)と3つのアプリを共有する場合:

  • アプリX:A、B、C(3人と共有)
  • アプリY:A、B(2人と共有)
  • アプリZ:A(1人と共有)

アプリ個別ではなく、全てのアプリについてメールアドレス単位で数えるので必要なライセンス数は「3」になります。

デプロイされたすべてのアプリについて、サインインしているユーザーのメールアドレス単位で数える。

必要なライセンス数を数える場合は、とりあえず、デプロイしているアプリの共有ユーザーをメールアドレス単位で数えましょう。
AppSheetエディタ画面の右上にある「Share」アイコンをクリックします。

AppSheetエディタ画面の右上にある「Share」アイコンをクリックする。

「Share app」を開いて、共有しているユーザーをメールアドレス単位で(Ownerも含めるので、この場合は4)数えます。
デプロイしている全てのアプリについて数えて、必要なライセンス数を決定します。

共有しているユーザーをメールアドレス単位で数える。

AppSheet の請求ルール

超過した場合は自分でライセンス数を手動で変更する

AppSheetの請求ルールは

  • 毎月(または毎年)の更新日に自動更新
  • 設定したライセンス数分の料金について、次回更新日までの料金を前払い
  • 請求期間の途中でライセンス数を変更した場合、次回更新時に日割りで精算

という感じです。

請求対象となるのは、前回更新日以降、1ヶ月間のアクティブユーザー数です。
アクティブユーザー数が、設定しているライセンス数を超過した場合は、以下のような督促メールが来ます。

督促メールが届く。

このメールが来たら、「My Account」の「Billing」でライセンス数(Number of user licenses)を変更する必要があります。
ライセンス数を変更せずに放置しておくと、アカウントが停止される場合があります。
AppSheetによると、アカウント停止は「非常に稀なケース(超過数が著しく多い場合など)」らしいですが、できるだけ早く変更しましょう。

AppSheet側では、アクティブユーザー数に応じてライセンス数を自動的に調整してくれません。
アクティブユーザー数がライセンス数の設定値を超過した場合は、アプリオーナーが「My Account」でライセンス数を手動で変更しましょう。

ライセンス数を手動で変更する。

実際の請求について見てみましょう。以下の事例は、ある月の請求です。
「PRO」というのは昔のプランの呼称で、現在は「Core」プランです。

この事例では、アプリをひとつデプロイした時に、設定していたライセンス数をアクティブユーザー数が超過したため、請求期間の途中でライセンス数を追加して、変更しています。 「Item」の明細行の意味は、

  • Pro-rated charges for changes in the last billing period:最後の請求期間の変更に対する日割り料金です。
    • Unused time on 〜:変更前の料金について、変更日〜更新日の日割り料金分を「未使用時間」として返金
    • Remaining time on〜 :変更後の料金について、変更日〜更新日の分を日割り料金分を追加
  • Charges for the current billing period:次回更新日までの料金として、設定したライセンス数分の料金を前払いします。

となります。

請求期間の途中でライセンス数を変更した場合、次回更新時に日割りで精算する。

はじめてアプリをデプロイする際は注意しよう

誰しもライセンス料金は節約したいものですが、特に、はじめてアプリをデプロイする際は注意が必要です。

例えば、10人でプロトタイプを共有して開発したアプリについて、テスト完了後、すぐに共有ユーザーを5人に減らしてからデプロイするとしましょう。
この場合、必要なライセンス数はいくつになるでしょうか? 答えは「10」になります(5ではない)。

請求対象となるのは、前回更新日以降、1ヶ月間のアクティブユーザー数です。
共有から削除した5人が期間中(1ヶ月)にアプリにアクセスしていれば、アクティブユーザーとしてカウントされることになります。

3. AppSheet有料プランの選択 〜 どのプランが必要か?

Starter、Core、Enterprise(Standard、Plus)のうち、どのプランを選ぶべきかを以下の表に例示しました。
Google WorkspaceのEnterpriseプランを契約している場合は、AppSheetのCoreプランを追加料金なしで利用できます。

用途・機能 Starter Core Enterprise
商用利用
共有人数が10人以上
Automationはメール送信のみでよい
Automationでメール送信以外のTask(ファイル作成、GAS連携)も使いたい
バーコード・QRコードスキャンする
ユーザー別にデータ表示や変更権限を制御したい(セキュリティフィルター)
データ量が多いので(10万行以上)Googleスプレッドシートでは心許ない

最後に、2022年10月現在の有料プラン価格、機能についてまとめました。

Starter Core Enterprise
Standard
Enterprise
Plus
料金(ユーザー当たり月額) $5 $10 問合せ 問合せ
基本機能と自動化 データの表示や変更、ユーザー認証などの基本機能、Automationからのメール送信ができます。
標準的な認証プロバイダー OAuthプロトコルを使用して、GoogleやMicrosoftなどクラウドストレージのアカウントを使用してサインインします。
高度な機能と自動化 バーコードとNFCのスキャン、スケジュールによるデータ変更の自動化ができます。
セキュリティ ユーザー管理、セキュリティフィルター、データ更新モードの変更、モバイルの暗号化ができます。
機械学習 OCR、機械学習モデルが使えます。
高度なデータ SQLデータベースに接続できます。Salesforce、OpenAPI、ApigeeやBigQueryへの接続ができます。
高度な認証 Active Directory、OpenID Connect、Okta、Cognitoによる認証ができます。
高度なユーザーとデータ管理 アプリのライフサイクル管理、エラーレポートの自動化、ユーザー操作の追跡ができます。
チーム機能 チームでのデータソース共有、ドメイン認証、コネクタの共有ができます。
エンタープライズデータ オンプレミスのデータソースにODataから接続したり、Google AI(Doc AI)など高度なデータ接続ができます。
ガバナンス ガバナンスポリシーを策定してチームで共有したり、アプリ作成者レポートとアラートの自動化ができます。
スケーラビリティ AppSheetサーバーのリソース割り当てを増やしたり、履歴を長期間保存できるようになります。 Low Low Medium High
サポート Coreプランはメールサポート、Enterpriseプランは優先的なサポートが受けられます。

4. AppSheetの料金 〜 デプロイとアクティブユーザーがポイント

AppSheetの料金については、以下の公式HELPに記述があります。HELPはもちろん全編英語です。

加えて、仕組みが難解なこともあり、多くのお問い合わせをいただいたため、このブログ記事を作成しました。
はじめに、デプロイとアクティブユーザーの概念を理解し、以下のポイントについて押さえておけばよいと思います。

  1. 商用利用またはデプロイが必要な場合は有料プラン契約が必要になる
  2. 有料プラン契約に必要なライセンス数は、アクティブユーザー数である
  3. 料金は前払い、請求期間途中でライセンス数を変更した場合は、次回更新時に日割りで精算される
  4. アクティブユーザー数がライセンス数を超過した場合は、アプリオーナーが手動で変更する
  5. 請求対象は前回更新日以降、1ヶ月間のアクティブユーザー数なので、デプロイ時には注意する

この記事をお読みいただき、AppSheet導入時の予算化の参考にしていただければ幸いです。

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