タスク管理アプリを作りながら、AppSheetの使い方を学びましょう。
前回(第5回)は、ダッシュボードビューを使用してステータス管理ができるカンバンボードを作成しました。
今回は、Format Rulesで文字色を変える方法を学びます。
AppSheetではFormat Rulesを使用して書式設定するので、今回の内容も必須のテクニックです。
1. AppSheetではFormat Rulesで書式設定する
AppSheetでは、Format Rulesという機能で文字の書式を設定したり、アイコンを追加したりします。
Format Rulesに条件を設定すると、条件に合致したときにAppSheetが文字色やアイコンを変更してくれます。
例えば、
- 重要度が高い案件や期日超過の案件 → 赤で警告したい
- 完了した案件や成立した契約 → 緑で分かりやすくしたい
のような時にFormat Rulesで書式を設定すると、見た目に分かりやすくなります。
タスク管理アプリでは「期日」をビュー(View)で表示しています。
アプリエディタのプレビュー画面で確認すると、ぱっと見では分かりにくい感じがします。
タスク管理では「期日まであと何日あるか」が気になると思います。
「期日まであと何日あるか」を可視化して、期日管理できるようにしましょう。
ここでは「期日」の書式を
- 期日超過:「超過しました!(危険?)」→赤&太字
- 期日5日以内:「そろそろ期日が近づいていますよ」→ 黄色&太字
にしたいと思います。
そのために、期日管理用のタスクを数件、追加しておきましょう。
タブメニュー「タスク」を選択して、「+」ボタン(Add)をクリックしてタスクを追加します。
関連ファイルのアップロードは不要です。タスクだけ数件、追加しましょう。
「期日」は、
- 今日の日付の1日前(期日超過用)
- 今日の日付から3日後(期日5日以内用)
の2種類を作っておくとよいと思います。
2. 「期日超過」のFormat Rulesを設定する
Format Rulesを作成してみましょう。
はじめに「期日超過」のルールを作成します。
アプリエディタ左側メニューのスマホアイコンにカーソルを合わせて、「Format Rules」をクリックします。
Format Rulesナビゲーションの右上にある「+」アイコン(Add Format Rule)をクリックします。
「Create a new format rule」ボタンをクリックします。
メインパネルに新しいルールの設定パネルが表示されます。
はじめに、ルールの名前とルールを適用するテーブルを決めます。
- Rule name:期日超過
- For this data:タスク
Format Rulesでは条件を設定して、条件に合致した場合にルールを適用することができます。
If this condition is trueの入力フィールドをクリックしましょう。
Expression Assistant が表示されるので、条件式を入力します。
以下の式をコピペして使いましょう。
「期日超過」の条件式
1 2 3 4 |
AND( [ステータス] <> "完了", [期日] < TODAY() ) |
この式の意味は、
- 「ステータス」が「完了」ではない、かつ
- 「期日」が今日の日付よりも前(期日超過)
という意味になります。
ステータスが「完了」の場合を除き、期日超過しているタスクが対象になります。
Expression Assistant に上の式を入力して「Save」をクリックします。
Format these columns and actionsは、ルールを適用する列を選択します。
ここでは、「期日」列を選択します。
Visual FormatとText Formatを以下のように設定します。
- Text color:red
- Text Format: BoldをON
これで「期日超過」ルールの設定は完了です。
AppSheetのプレビューで確認してみましょう。
「着手前」または「作業中」ステータスのタスクで、「期日」が今日現在よりも前の場合、ルールが適用されて赤字で表示されます。
3. 「期日5日以内」のFormat Rulesを設定する
続けて「期日5日以内」のルールを設定します。
「期日超過」を複製して作成しましょう。
メインパネル右上にある3点ドットアイコン(More)をクリック、「Duplicate」をクリックします。
「期日超過」ルールが複製されるので、ルールの名前を変更します。
- Rule name:期日5日以内
- For this data:タスク
If this condition is trueに「期日5日以内」ルールを設定します。
入力フィールドをクリックして、Expression Assistantに以下の式をコピペして使いましょう。
「期日5日以内」の条件式
1 2 3 4 5 |
AND( [ステータス] <> "完了", HOUR([期日] - TODAY()) / 24 >= 0, HOUR([期日] - TODAY()) / 24 =< 5 ) |
この式の意味は、
- 「ステータス」が「完了」ではない、かつ
- 期日が今日の日付と同じかそれ以後、かつ
- 期日が今日の日付から5日以内
という意味になります。
日付計算にHOUR関数を使って、24で割ることで日数の数値計算をしています。
Expression Assistant に上の式を入力して「Save」をクリックします。
Visual Formatを以下のように設定します。
- Text color:yellow
これで「期日5日以内」ルールの設定は完了です。
AppSheetのプレビューで確認してみましょう。
「着手前」または「作業中」ステータスのタスクで、「期日」が今日の日付から5日以内の場合、ルールが適用されて黄色で表示されます。
画面右上の「SAVE」をクリックして設定を保存してください。
以上、Format Rules を使って条件により「期日」の書式を変更する設定を行いました。
これで「期日まであと何日か」が色の違いによって分かりやすくなりました。
これで「ステータス」と「期日」でタスク管理できるようになりました。
次回(第7回)は、アクション(Action)を使って「ステータス」の値を変更する方法を学びます。
アクションボタンを使うことでアプリの使い勝手がよくなり、より使いやすいアプリになります。
- 第1回 カンバンボードでタスク管理をしよう
- 第2回 スプレッドシートからアプリを作成する
- 第3回 Googleドライブにファイルをアップロードする
- 第4回 スライスで条件に合致するデータだけ切り出す
- 第5回 ダッシュボードビューでカンバンボードを作成する
- 第6回 Format Rulesで条件を設定して文字色を変える
- 第7回 アクションボタンで列の値を更新する