設備保全管理アプリで業務効率化 | AppSheetで社内DX

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工場において、設備や機械の定期点検や不具合発生時の保全は欠かせない業務です。
この設備保全業務を自社で行っている場合、紙とエクセルで管理していることが多いようです。しかし、設備や機械が多くなれば、紙とエクセルによる設備保全管理は非常に煩雑になります。
この記事では、社内DXを導入することにより、設備保全管理を効率化する方法を解説します。
AppSheet(アップシート)で設備保全業務をアプリ化すれば、業務効率化だけでなく稼働率など生産性向上も期待できます。

1. 紙とエクセルによる設備保全管理

紙とエクセルの作業手順

紙とエクセルを併用した設備保全管理の作業手順は一般的に以下のようになります。

  1. 設備台帳から機械設備のマスタデータをエクセルで作成する
  2. 機械設備ごとに点検表をエクセルで作成して印刷する
  3. 保全業務を行ったとき時に、現場で紙に記入する
  4. 事務所で紙からエクセルに転記してデータ化する

所有している機械設備の点数が少なければ、多少の手間はかかりますが業務に差し支えはないかもしれません。
設備保全のみの業務であれば、担当者一名でも問題はないでしょう。

紙とエクセルで設備保全管理するデメリット

もちろん、機械設備によって点検項目は異なるので、機械設備が増えるほど紙とエクセルによる業務は煩雑になります。
一度にたくさんの点検表をエクセルで作成して印刷したり、転記に多くの時間が取られるようになります。

関連業務と連携できないというデメリットもあります。
例えば、部品交換をする場合、保守部品の在庫を別の台帳で確認する必要があります。
在庫切れのないよう発注点管理することが重要です。
また、部品に定められている交換時期を確認することが不可欠ですが、現場に情報が無い場合もあります。

紙とエクセルによる保全管理は業務が煩雑になり、手間が増えるため社内DXで効率化すべきである。

2. 設備保全管理における社内DXの導入メリット

業務効率化

社内DXで設備保全業務をアプリ化すれば、現場でスマホ入力するだけで保全作業を記録できるようになります。
点検表をエクセルで作成して印刷したり、後で転記したりする煩わしさから解放されます。
また、アプリを使って作業完了日時の記録や完了報告のメール送信など、業務の自動化ができます。

写真管理

アプリなら保全作業を記録する際に写真を添付できます。
保全作業前と保全作業後に写真を撮って記録できるようになります。
もちろん、写真にメモを付けたり、タグ付けもできるので写真管理も容易です。

不具合発生時に写真を添付してメール等で報告すれば、設備管理者はアプリで状況を確認して、遠隔でも指示を出せるようになります。
変化点発生時にも写真やタグを活用できるため、不具合発生の検証にも役立ちます。

他業務との連携

設備保全業務は、設備台帳(設備機械マスタ)、保守部品の在庫管理システムとの連携が必要です。
設備台帳では、機械設備ごとに変化点管理を記録し、履歴化することができます。
また、機械設備のマニュアルや仕様書をPDFにして添付すれば、必要な時に現場で参照できるようになります。

保守部品の在庫管理システムと連携すれば、在庫確認以外にも発注点管理により在庫切れを防ぐことができます。
アプリを使えば、QRコードやバーコードによる効率的な在庫管理もできます。
社内DXを導入すれば、このように他業務との連携もできるようになります。

予防保全

応用的な活用として予防保全があります。
アプリで作業を記録すれば、機械設備ごとに、いつ故障等の不具合が発生したのかをデータ化できます。
生産管理システムと連携すれば、機械設備の稼働データから不具合発生確率を分析できるようになります。

故障する前に部品交換などの予防保全を行い、突然の故障による機械設備の停止を未然に防ぐようにします。
予防保全ができれば生産性が向上しますので、「攻め」の社内DXと言えるでしょう。

設備保全管理における社内DX導入ステップ

以上、紙とエクセルによるデメリットと脱エクセルのメリットを踏まえて社内DXを導入します。
設備保全管理における社内DXの導入ステップは、

  1. 業務ルールを決定する
  2. 業務フローを設計する
  3. 機械設備のマスタデータや点検項目など、必要なデータを準備する
  4. 社内DXで設備保全管理をアプリ化する

という手順で進めていきます。以下で、詳しい進め方を解説します。

設備保全管理に社内DXを導入する効果。

3. 業務ルールを決定し、業務フローを設計する

社内DXの進め方として、はじめに設備保全業務のルールを決定し、業務フローを設計します。
自社で工場設備の保全業務を行っている場合、まずは、保全作業の担当者と管理者を決めます。
複数の設備があり、設備ごとに担当者と管理者が異なる場合は、そちらも明確にしておきます。

現場で点検し、修理や部品交換が必要になった場合に、現場の判断で保全作業を進められるのか、管理者に指示を仰ぐのか等、業務を洗い出してルールを決めます。後述するアプリを開発する際に、ルールに基づいてアプリを設計する必要があります。

以上を踏まえて、設備保全業務の業務フローを設計します。
定期点検のフロー、不具合発生時のフロー、変化点発生時のフローなど、業務フローに基づいてアプリを設計します。

4. 社内DXに必要なデータを準備する

続いて、社内DXに必要なデータを準備します。
設備台帳から機械設備のマスタデータを作成します。エクセルで作成済であれば、それらを活用するので不要です。
できればマニュアルや仕様書も電子化(PDF)しておきます。

続いて、機械設備の点検項目、管理項目を洗い出します。
こちらもエクセルで作成済なら、そのまま活用できるのであらためて作る必要はありません。

5. 社内DXで設備保全業務をアプリ化する

AppSheet(アップシート)

AppSheetで設備保全業務をアプリ化する。

AppSheet(アップシート)は、Googleが提供するプログラミング不要のアプリ開発ツールです。
AppSheetであれば、自社の業務ルールや業務フロー、機械設備ごとの管理項目やチェック項目に合わせてカスタマイズされたアプリを開発できるので社内DXにも最適です。

設備保全業務をアプリ化すれば、基本的な保全作業の記録以外にも写真管理(メモやタグ付け)、変化点管理、資料管理(マニュアルや仕様書の参照)が簡単にできるようになります。

Gmail - dynamic email

AppSheetでdynamic emailを送信すると、写真つきの点検報告をメールで自動送信できる。

AppSheetはGmailと統合されており、dynamic emailという機能が使えます。
AppSheetアプリからメールを送信し、Gmailでメールを開くとアプリの画面が表示されます。メール上でアプリの操作もできます。

dynamic emailを使えば、アプリから作業完了報告を自動化したり、不具合発生時に写真付きで報告して管理者の指示を仰ぐ、というような使い方ができます。

他業務との連携して「攻め」の社内DXへ

AppSheetアプリは他のAppSheetアプリと容易に連携できます。
例えば、在庫管理アプリで保守部品の仕入(入庫)と使用(出庫)を記録しておけば、在庫確認や発注点管理が容易にできるようになります。
在庫管理アプリについては、こちらの記事をご参照ください。

応用的になりますが、生産管理システムと連携すれば稼働率、MTBF、MTTRの分析も可能になります。
予防保全のためには、他業務と連携した分析や検証が不可欠です。
社内DXを導入すれば他業務との連携ができるようになり、業務効率化だけでなく生産性向上も期待できます。

設備保全管理の社内DX導入ステップ

6. まとめ - 社内DXで設備保全管理を効率化しよう

以上、設備保全業務に社内DXを導入することにより、業務効率化、不具合発生時や変化点発生時の写真管理、予防保全という効果が見込めます。

導入ステップとしては、工場が複数ある場合は一ヶ所に、機械設備も限定してトライアル(試験的な導入)から始めるようにします。
トライアルの結果を検証し、効果が実感できたら対象の工場や機械設備を広げていくようにします。

アプリスイートでは「設備保全業務に社内DXを導入したい」方のための導入サポートを行っています。

アプリスイートでは、「設備保全管理の社内DXの進め方が分からない」という経営者やIT担当者の方のために、ご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。

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