問い合わせはお客様との重要な接点です。
問い合わせ対応が非効率だと、お客様を必要以上に待たせたり不快な思いをさせてしまいます。
この記事では、社内DXを導入することにより、問い合わせ管理を効率化する方法を解説します。
AppSheet(アップシート)で業務をアプリ化し、問い合わせ管理を効率化すれば、お客様に与える印象や満足度に良い影響を与えることができます。
目次
1. 問い合わせ対応に時間がかかる3つの理由
問い合わせ対応の悩みとして回答までに時間がかかったり、なかなか解決に至らずお客様とのやりとりが長引くことがあります。
問い合わせ対応に時間がかかる理由として、以下の3点が考えられます。
問い合わせ内容が定型化されていない
問い合わせ内容を定型化していないと処理に時間がかかります。
例えば、お客様の名前や連絡先が書いていない、該当する商品が特定できない、そもそも問い合わせ内容が不明という場合です。
問い合わせ窓口がFAXやメールの場合、記載内容がバラバラになりがちなので、その傾向があるようです。
問い合わせ業務が標準化されていない
担当者や業務範囲を明確に決めておらず、場当たり的に対応すると必要以上に時間がかかることがあります。
例えば、注文の変更、キャンセル、返品などはプロセスが煩雑になりがちなので、担当者の知識やスキルにより対応に差が生じます。
他にも、担当者不在の時にどうするか、対応を決めておかなければ回答に時間がかかり、お客様に負担をかけることになります。
記録がデータベース化されていない
過去の販売履歴や問い合わせ対応履歴を必要な時に検索して取り出せるようにしていますか?
お客様の購入履歴が検索できなければ、商品をいつどこで販売したのか分からないため調べるのに時間がかかります。
また、問い合わせ対応の履歴が分からなければ、担当者がその都度調べるため時間がかかります。
結果的にお客様を待たせることになり不快な思いをさせてしまいます。
記録は後で利用(検索)できるように保存する、つまりデータベース化しておかなければいけません。
以上、定型化、標準化、データベース化といった課題は社内DXの得意分野です。
つまり、社内DXを導入すれば、問い合わせ対応にかかる時間を減らせるということです。
2. 問い合わせ管理における社内DXの導入メリット
問い合わせ対応に手間取ったり必要以上に待たせたりすれば、当然お客様は不快な思いをします。
その結果、商品やサービスの満足度が低下したり、会社の印象が悪くなったり、場合によってはお客様を失うことにもなります。
お客様の負担を減らし、ムダな時間を減らしてお客様対応に集中するためにも、問い合わせ管理に社内DXを導入し、業務を効率化すべきです。
問い合わせ対応の品質を向上
担当者と業務範囲を決めることで、経験曲線効果による担当者のスキル向上が期待できます。
同時に、問い合わせ業務が標準化されれば、担当者の知識やスキルに依存することなく、問い合わせ対応の品質を維持できます。
担当者不在の場合でも最低限の対応ができるようになるので、お客様の印象を損ねたり不快な思いをさせたりすることが減少します。
社内DXでムダな時間を短縮、対応に集中
思い切って窓口を整理することにより自動化を進めることができます。
また、問い合わせに関する情報をアプリに集約することにより、過去の購入履歴や問い合わせ対応履歴が検索できるようになります。
社内DXの導入により、調べたり確認したりするムダな時間を短縮できるので、お客様の待ち時間の減少につながります。
問い合わせ管理における社内DXの導入ステップ
以上、問い合わせ対応に時間がかかる3つの理由を踏まえて社内DXを導入します。
問い合わせ管理における社内DXの導入ステップは、
- 社内DXに対応できる窓口に限定する
- 業務ルールを決める
- フォームなど、受付に必要な情報を決める
- 業務フローを設計して、社内DXの範囲を決める
- 社内DXで問い合わせ管理をアプリ化する
という手順で進めていきます。以下で、詳しい進め方を解説します。
3. 社内DXに対応できる窓口に限定する
自由に記述できるため内容を定型化しにくいFAXとメールは、やむを得ない場合を除いて廃止した方がよいでしょう。思い切って、社内DXに対応できる窓口だけに限定しましょう。
問い合わせ窓口は、ホームページの問い合わせフォームと電話だけにします。
問い合わせフォームなら24時間、365日受付できますし、フォームでは伝えにくい内容なら電話で対応ができます。
4. 業務ルールを決める
担当者と業務範囲を決めます。
どのような時に上長の承認が必要かも決めておきます。
また、担当者不在の時の対応についても決めておくとよいでしょう。
5. 受付に必要な情報を決める
受付に必要な情報を決めます。
必要な情報はフォームなら入力必須項目にします。電話ならお客様から必ず聞き取ります。例えば、
- 顧客情報:会社名、担当者名、住所、メールアドレス、電話番号など
- 商品情報:型番、商品コードなど特定できるもの
- 種別:商品の仕様確認、商品の使い方、キャンセル、返品、故障・修理依頼など
です。以上の情報を決めることは、社内DXにおいてアプリ設計に関わることなので、漏れのないようにします。
6. 業務フローを設計する
問い合わせ業務のフローは概ね以下のようになると思います。
自社における問い合わせ業務を洗い出して、設計してみましょう。
- フォームまたは電話で受付する
- フォームや電話で得た顧客情報を後述するAppSheetアプリに登録する
- 問い合わせ内容を案件化して、AppSheetアプリで進捗管理する
- 案件に対応履歴(日付、担当者、対応内容、結果)を記録していく
- 案件完了後、お客様からのフィードバックを受けて問い合わせ対応の品質を向上させる
このうち、2〜4は社内DXを適用できる範囲です。
2は、後述するGoogleフォームとGASを使えば自動化が可能ですし、3と4は、AppSheetで問い合わせ管理をアプリ化できます。
5については、顧客情報と案件からアンケートメールを自動送信するなど、社内DX的な方法がいくつか考えられますが、この記事では割愛します。
7. 社内DXで問い合わせ管理をアプリ化する
Googleフォーム
Googleフォームは、Googleアカウントを持っていれば無料で使えます。
ITスキルがなくても簡単にフォームを作成できるツールです。
フォームを使えば、問い合わせ内容を定型化できます。
顧客情報、商品情報、問い合わせ種別など必要な情報が定型化されているので処理にかかる時間を短縮できます。
もうひとつ、Googleフォームのメリットは、問い合わせ内容をGoogleスプレッドシートに記録できることです。
スプレッドシートを活用すれば、問い合わせ業務の自動化が可能になります。
以上のことから、Googleフォームは社内DXに最適な問い合わせ受付ツールであると言えます。
Google Apps Script(GAS)
Google Apps Script(GAS)は、Googleが提供しているプログラミング言語です。
こちらもGoogleアカウントを持っていれば誰でも使うことができます。
GASはGoogleのサービス(Gmail、ドライブ、スプレッドシートなど)を相互に連携したり、処理を自動化するために使われます。
Googleフォームから送信された問い合わせ内容はスプレッドシートに記録されます。
GASを使えば、スプレッドシートの記録から顧客マスタを登録したり、問い合わせ案件を作成したりすることが自動化できます。
お客様に自動返信メールを送信したり、担当者にメールやLINEで通知したりすることも可能です。
GASはJavaScriptというプログラミング言語をベースとしており、開発が必要になります。
開発スキルが必要になりますが、柔軟に社内DXサービスを実装できるメリットがあります。
アプリスイートのお問い合わせフォームも、実はGASを使って自動化しています。
AppSheet(アップシート)
AppSheet(アップシート)は、Googleが提供するプログラミング不要のアプリ開発ツールです。
AppSheetなら、自社の業務フローに合わせて問い合わせ管理アプリをカスタマイズ開発できるので、社内DXに最適です。
電話受付ではアプリを活用する
フォームでの受付はGoogleフォームとGASで自動化できます。
電話受付の自動化は難しいので、AppSheetアプリを活用しましょう。
電話で聞き取った情報をもとに、顧客マスタ登録、問い合わせ案件の作成、担当者にメールや通知を行います。
過去に購入履歴や問い合わせ履歴があるお客様であれば、顧客マスタからメールアドレスや電話番号で履歴を検索できます。
このように社内DXを導入すれば、回答までに要する時間を大幅に短縮できるようになります。
カンバンボードで案件の進捗を管理する
AppSheetアプリで問い合わせ案件の進捗管理を行います。
例えば、「未着手」「対応中」「完了」のようにカンバンボードで進捗を見える化すると分かりやすくなります。
案件には対応履歴を記録します。対応した日付、担当者名、対応内容、結果を案件に追加していきます。
担当者が不在の場合でも、案件の進捗状況や過去の対応履歴が分かるため、担当者への引継をスムーズにできるようになるなどのメリットがあります。
履歴化で時間を短縮する
AppSheetで業務をアプリ化することにより、顧客別や商品別で購入履歴や対応履歴を検索できます。
例えば、商品の仕様についての問い合わせであれば、商品別で仕様を検索できます。
社内DXが進めば、仕様確認の時間が短縮でき、お客様を必要以上に待たせることなく回答できるようになります。
8. まとめ - 社内DXで問い合わせ管理を効率化、顧客対応に集中しよう
以上、(1)窓口を社内DX対応にする、(2)業務ルールを決める、(3)受付に必要な情報を決める、(4)業務フローを設計する、(5)AppSheetで業務をアプリ化するという5つのステップで問い合わせ管理に社内DXを導入することができます。
問い合わせ対応の悩みとしては、窓口が複数あり、顧客情報や対応情報をバラバラに記録しているため、情報漏れや混乱が発生することが多いようです。
まずは、思い切って窓口を整理し、情報をGoogleスプレッドシートに一元化するところから始めてみてはいかがでしょうか。
アプリスイートでは、「問い合わせ対応に時間と手間がかかる」「効率化したいが、やり方が分からない」という中小企業経営者やIT担当者の方のために、ご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
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